病院長挨拶

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-西の「男気」と東の「なでしこ」-
〜八代総合病院だより 『すこやか』 2011年秋号 病院長挨拶より〜

 皆さま方のご支援のお陰によりまして、八代総合病院の新築事業も順調に進んでおります。 現在、着工後約10カ月になりますが、やっと丁寧な地下基盤工事ならびに地下1階部分の工事が終了し、 ついに、地上部分の鉄骨が見えてきて、ようやく市民の皆さん方の期待に添えてきたものと拝察いたします。

 

 ところで、これから順次2台のタワークレーンなるものが登場し、新病院を高層建築へ創り上げていくことになっております。 これらのタワークレーンには通常ニックネームを付けることが習わしとなっているそうで、 今回、西側に立つクレーンを「男気」、 東側のものを「なでしこ」と名付けました。

 

 わたくし共の総合病院は、戦後の荒廃した地域医療を再推進するために昭和23年に厚労省社会保険庁によって設立され、 爾来63年間に亘り、この八代地域の医療を担い、住民の皆さまの健康保持に貢献して参りました。その歴史は、 当病院年報を紐解けば、誰でも目の当たりにすることが出来ます。そして、平成20年には年金問題から社会保険庁が解体され、根なし草のようになっておりましたが、この度、国会にて「独立行政法人地域医療機能推進機構」という公的機関として再出発することが決議され、さらに住民の皆さまのために地域医療を推進していこうと意気込んでおります。

 このように、地方の1病院でさえ、記録を辿ることによって明確に自分の過去の歴史を辿ることが出来ます。当院の真の歴史を知ることは極めて当然のことであり、そのことによって過去の先達の苦労を認識することができ、将来に向けて、わたくし共が日本国の中でどのように地域医療を推進し、住民の皆さまに貢献すべきかが明確となる訳でございます。

 

 アメリカという国に個人的には何の恨みもありませんし、逆にワシントンでは色々な良い物を見せてもらい医学研究の素晴らしい経験と業績が出来、さらに当院の建築にも大いに参考にしているところが多く、とても感謝しています。ところが、日本は戦後、「二度とアメリカに歯向かえないようにするための対日本政策」によりまして、骨抜きにされてしまいました。わたくしは、まだまだ勉強しなければならない弱冠56歳ですが、何の因果か、何の意図か、何の聖域か知りませんが、本当の明治・大正・昭和戦前の歴史を全く教えられておりません。藤原正彦さんは「日本人の誇り」という著書の中で、「特に日本の昭和史は汚らわしい」「日本は、国民1人1人は大人しいが、軍部が恐ろしい侵略を行った。集団になると暴走するので、自衛のためと言えども軍隊などとんでもない」「自前の憲法など作れる国民ではない」というのが一貫する日本の誤った教育なので、「アメリカによる戦争の罪意識を日本人に扶植する計画」と「日本国家自己崩壊システム」はずっと機能している、と極めて的を得た指摘をしています。従いまして、我々日本人はいつまでも中国や朝鮮の非難や不法行為に毅然として反論することもできずにただただ屈するばかりです。今こそ、私達の自分自身の先祖が築いた真実の明治・大正・昭和戦前の日本史をじっくり勉強するべきです。そして、これからは、先ず真の昭和史だけでも明らかにして、事実が歪曲された部分があればこれを力強く訂正し、日本国の価値観と今後進んでいく道を世界に向けて鋭意何度も発信させ、これから脈々と続いていく日本人子孫のためにプライドを再確立していかなければなりません。

 

 今夏7月17日、若い「なでしこ」日本女子サッカーチームはやってくれました。何とアメリカに勝って世界一になるなんて、誰が想像したでしょうか。また、直ぐにいい時だけのマスコミに操られてしまうのが常ですが、「なでしこ」は澤主将を先頭に全然浮かれていません。これまでの艱難の歴史をプライドにして大したものです。今後の活躍にワクワクします。

 生年月日からするとわたくしと同年の経済産業省の高級官僚であった古賀茂明さんは、日本を良くするために官僚制度を真剣に模索し改革しようとしましたが、矢張り、もっとお偉い団塊の世代の官僚や政治屋によって辞職に追いやられてしまいました。ワクワク感が木端微塵に吹き飛びました。テレビなどで拝見していると、軸は何時もズレテおらず、日本のために命を賭けてもよいような「男気」が感じられ、真のリーダーとお見受けしていましたが極めて残念です。是非、今度は政治的な方面から捲土重来リベンジして、「男気」で日本を良くして頂きたいものです。

 わたくし共の八代総合病院は、「公に一肌脱ぐ」が合言葉でございます。併せて、以上述べましたような心を込めまして、2機のタワークレーンのニックネームを西は「男気」と東は「なでしこ」に致しました。これからも、「質の高い医療」と「患者さんを癒す医療」を全職員が一丸となって努力し、その実践の場である「新病院建設」を、将来の八代の新しい街創りと地方からの国創りを見据えながら鋭意行って参りますので、これから当分の間、東西で大活躍する「男気」君と「なでしこ」さんをどうか可愛がってやって下さい。

 

 日本国家の将来を想うに相応しい秋の夜長の折でございますが、今後とも、皆さま方のさらなるご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

 

平成23年11月

2011.11

-西の「男気」と東の「なでしこ」-

〜八代総合病院だより 『すこやか』 2011年秋号 病院長挨拶より〜

 

2011.7

-美しいものが真実であり脈々と続く-

〜八代総合病院だより 『すこやか』 2011年夏号 病院長挨拶より〜

 

2011.3

新年度病院長挨拶 −A brave new world−

〜八代総合病院だより 『すこやか』 2011年春号 病院長挨拶より〜

 

2011.1

 

−アスクレピオスが舞い降りる−

〜八代総合病院だより 『すこやか』 2011年新年号 病院長挨拶より〜