病院長挨拶

  • 2019_

大恩は報ぜず
〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2016年 新年号 病院長挨拶より〜

 

 謹んで新年のお慶びを申しあげます。

 年頭に当たりまして、先ず、「独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO) 熊本総合病院」として、引き続き、わたくし共は一丸となって、さらに質の高い医療の実践を行ないながら、JCHOの使命である「地域医療・地域包括ケアの推進」を含めて大いに公に貢献するように努力いたしておりますことをご報告申し上げますと共に、すべては、医師会、熊本大学教授陣、国・県・市行政ならびに市民の皆さま方のご支援の賜と深く感謝申し上げております。

 

 さて、元旦には神社への初詣がつきものですが、初日の出をお参りする人も沢山います。それは元々、旦という漢字は、太陽(日)が地平線(一)から出て来るさまを表しているそうですから、成る程と頷けます。日本という国号も、聖徳太子が隋に「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す。恙無しや」と国書を送ったとおり「日出ずる国」という意味であり、如何に日本という国号とそれに極めてマッチしたシンプルで且つ美しい国旗が、これからの子孫にとってもプライドの持てるものであることが分かります。従いまして、古来から、日本人は特に太陽に畏敬のこころを持ちながら、自然に生かされているということを認識し、万物に神が宿っているという敬虔の念で、森羅万象に深く感謝してきました。もし、太陽が無かったら勿論ですが、太陽からの距離(1億5000万キロ)がほんの少しずれていても、人間は地球で食べていくことは勿論のこと一瞬でも生存することすらできません。また、古代の人は知らなかったことですが、地軸が たった23.4度傾いているという偶然によっても、日本に素晴らしい四季をもたらし、私たちは春夏秋冬という季節折々の風情を楽しむことができます。

 

 一方、以上のような太陽をはじめとする森羅万象と日本人とその感謝の気持ちが一つになって、脈々と築いてきたものが日本の文化であります。

 

冒頭の「大恩は報ぜず」とは、「小さな恩義は負い目に感ずるが、あまりに大きすぎる恩義はかえって気づかず、それに報いようともしないものだ」という意味だそうです。わたくしも、戦後復興期初めの昭和30年の生まれですから、米国GHQの「日本弱体化計画」のうちの日本伝統文化や日本祖先敬慕の否定という洗脳教育の余波も手伝って、太陽をはじめとする森羅万象と古来から脈々と築かれた日本文化に対する大恩への感謝を全く忘れていることがままあることを深く反省しております。

 

まさに慣れと忘却とは怖いものです。

 

 年頭に当たってもう一度、わたくし自身ややもすれば忘れているこれまで日本人が大切にしてきた日本の自然と古来から脈々と培って来てもらった文化を大恩として新たに認識し、先祖に感謝し、これからの新しい日本のために微々たる貢献ができればと考えております。

 

本年も引き続き、わたくし共の熊本総合病院は、全職員が、医師会、熊本大学教授陣、国・県・市行政ならびに市民の皆さま方の大恩に慣れること無く、感謝の気持ちを忘れること無く、「医療とともに、公に一肌脱ぎ」ながら、JCHO病院としての使命も果たせるように、さらに精進して参ります。本年も、皆さま方のさらなるご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

 

平成28年1月



 

2016.10

「平成28年度JCHO尾身理事長賞」を頂く

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2016年 秋号 病院長挨拶より〜

 

2016.7

思いがけない災難や不運

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2016年 夏号 病院長挨拶より〜

 

2016.4

絶滅危惧種

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2016年 新年度号 病院長挨拶より〜

 

2016.1

大恩は報ぜず

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2016年 新年号 病院長挨拶より〜