病院長挨拶

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「明治維新150年」から「今年を100年の計 元年」へ
〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2019年 新年号 病院長挨拶より〜


謹んで新年のお慶びを申しあげます。


  年頭に当たりまして、先ず、「独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO) 熊本総合病院」として、引き続き、わたくし共は一丸となって、さらに質の高い医療の実践を行ないながら、JCHOの使命である「地域医療・地域包括ケアの推進」を含めて大いに公に貢献するように努力いたしておりますことをご報告申し上げますと共に、すべては、医師会、熊本大学教授陣、国・県・市行政ならびに市民の皆さま方のご支援の賜と深く感謝申し上げております。


  昨年は、「当院の創立70周年」でしたが、奇しくも「明治維新150年」でもありました。私利私欲がなかったと言われる第55代首相石橋湛山は、「明治時代の真の遺産とは、日本が帝国の仲間入りを果たしたことではない。五箇条の御誓文によって日本が民主主義と言論の自由を重視するようになったことだ」と述べました。皆様もご承知のとおり、「五箇条の御誓文」とは、「①広く会議を興し、万機公論に決すべし。②上下心を一にして、さかんに経綸を行うべし。③官武一途庶民にいたるまで、おのおのその志を遂げ、人心をして倦まざらしめんことを要す。④旧来の陋習を破り、天地の公道に基づくべし。⑤智識を世界に求め、大いに皇基を振起すべし。」であり、皇基は今なら当然日本国基でしょう。


  熊本が日本に誇る智の巨人は横井小楠と思いますが、実はこの五箇条の御誓文の根源の思想は横井小楠から出たものとされています。その根源の言葉は、「日本は世界一等の仁義の国となり、天に代わって世界の民のために働き、利己主義諸外国の世話焼き国家となって、大義を世界に広める」ですが、よくもまあ、国力もない貧しい明治維新前からこのような誰も思いつきもしないことを言って、勝海舟をして「おそろしい人物」と言わしめたものです。


  一方、今の日本は大東亜戦争敗戦以来、ずっと「羹に懲りて膾を吹く状態」からの「先の見えない閉塞感・将来に対する不安感」に包まれているように思います。国においては、「対外的に言わなければならないことを言わない」「自分で自分の国が護れない」「アメリカに押し付けられた世界最古のいじめ憲法を改正しない」など雁字搦めで、このようなことでは天佑からも見放されてしまうことでしょう。地方においては、例えば、熊本大地震の惨事を逆手に取った「Brave New Kumamoto World」の方向は失われ、壊滅状態となった県民の誇りである熊本城も昭和復元のままの鉄筋コンクリートの復旧となり、今後ずっと熊本城跡!でしか表記されず、日本一の武者返し石垣も泣いています。バルセロナのサグラダファミリアは、本物のレガシー建築着工後137年となりますが、その建設過程を観光資源として1日に1万人ものホクホクのとんでもない拝観料で潤っています。


 
 皆様もご承知の通り、今後日本は急速な人口減少社会となり、100年後には人口は3分の1になると予想されています。矢張り「子供を産んでも、先の見えない閉塞感・将来に対する不安感が募る」ことが大いに関係しているのでしょう。前段のようなことでは、当然といえば当然です。
patosuasahi
平成31年新年の表紙は「当院14Fの屋上から眺めた熊本連山から昇る初日の出」です。今年が、これからの世代への100年の計の元年となりますようにと、偉大なる天に祈願いたしました。

何はともあれ、わたくし共の熊本総合病院は、本年も引き続き全職員が一丸となって、「医療とともに、公に一肌脱ぎ」ながら「医療のみならずまちづくりにも貢献する」という意気込みで、JCHOの一員として地方復興・創世に寄与できるように、さらに精進して参ります。本年も、皆さま方のさらなるご支援を何卒よろしくお願い申し上げますとともに、皆さま方のご多幸を心よりお祈り申し上げます。

平成31年 元旦


2019.1

「明治維新150年」から「今年を100年の計 元年」へ

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2019年 新年号 病院長挨拶より〜