|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
「独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO) 熊本総合病院」の全職員は、さらに質の高い医療の実践をしながら、「地域医療のみならず地域包括ケアの推進」というJCHOの使命を果たしつつ、大いに公に貢献するように努力しておりますが、すべては、医師会、熊本大学教授陣、国・県・市行政ならびに市民の皆さま方のご支援の賜と深く感謝申し上げております。
今回の表紙は、「天草に映える秋の夕日」でございます。これは当院の14階ヘリポートから撮影したものですが、5F以上の階ならどこからでもその絶景を鑑賞できますので、いつもその美しさと当院に与えられた自然環境に、患者さん共々、感謝しています。そして、当院がある八代から天草までは10km弱で、ご覧のようにすぐそこに見えます。
最近、東京から当院ならびに天草の視察があり、天草まで陸路から案内しました。往路は約2.5時間かかるものの、天草5橋と沢山の島々があり、その美しさに感銘を受けておられましたが、一方、復路も同じ道で同じく2.5時間かかりますので、「行きは良い良い、帰りは怖い、ですね」「また、熊本大地震のような災害で5橋が不通になれば、住民のみならず観光客は大変なことになりますね」と冗談っぽく言われましたが、その目は本気でした。
ところで、「2015年九州・山口人気観光地ランキング」によりますと、その来訪人数ランキングでは、何と驚くべきことに、天草はベスト20にも入っていません。私は、九州・山口地区各県におきまして、熊本県ほど観光資源に恵まれたところはないと思っております。山は阿蘇、城は熊本城、海は天草、と風景や温泉のみならず食通も唸らせる素晴らしい観光トライアングルです。実際、阿蘇の来訪人数は、南阿蘇と黒川温泉を入れれば追従を許さないダントツの1位ですし、お城の熊本市も13位と健闘しています。ところが、天草は上記のとおりです。矢張り、くだんの方が仰ったとおり、「アクセスに重大な問題あり」です。もし、天草が阿蘇と熊本市と良いアクセスで繋がれば、九州どころでなく日本に冠たる観光トライアングルとなることは間違いないでしょう。そして、そのカギは、何と昭和60年から構想がある八代と天草を10分未満で結ぶハイウェイ架橋にかかっています。その工事費は約800億円と試算されており、公共事業としてはお安い上に、今では、PFI(公共が直接施設を整備せずに民間資金を利用して民間に施設整備と公共サービスの提供をゆだねる手法)もあろうかと思います。また、現在、八代港に大型クルーズ船が毎週のように入港していますが、その航路にも架橋の位置は全く邪魔になりませんし、それどころか外国人にとっても熊本観光の目玉となるでしょう。
写真は、その予想図!、では残念ながらありません。
米国フロリダ半島南端の「セブンマイル架橋(新:右、旧:左)」です。フロリダ半島南端には、ヘミングウェイで世界的に有名なキーウエストという島があり、その島へ向かって42の橋が架かっていますが、その一番長い橋がセブンマイル架橋です。架橋と言ってもイメージとは異なる海上ハイウェイで、きっと皆様方もハリウッド映画やCMでご覧になったことがあられるかと思います。このキーウエストから逆にセブンマイル架橋を通って北へ向かってワシントンDCやニューヨークを経てカナダの国境までの長い長い道が国道1号線であり、30年前、私たち家族は冬休みに2週間、ワシントンDCからキーウエストまで何と自家用車を使ってケチケチ旅行をしましたが、ワシントンDCは雪でもキーウエストでは海水浴ができる美しい夢の島なので、国内は勿論のこと世界中からセブンマイル架橋とセットで観光客が押し寄せる訳です。その栄光のセブンマイル架橋は名前の通り、7マイル(約10km)で、日本一長くなる八代・天草架橋と奇しくも同等の距離なのです。既に、私の中では、キーウエストが天草に見えています。
今後とも引き続き、わたくし共の熊本総合病院は全職員が一丸となって、「医療と共に、公に一肌脱ぎ」ながら、地方創世にも貢献できるように、さらに精進して参りますので、皆さま方のさらなるご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。
平成29年10月
2017.10
〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2017年 秋号 病院長挨拶より〜
2017.7
〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2017年 夏号 病院長挨拶より〜
2017.4
〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2017年 新年度号 病院長挨拶より〜
2017.1
〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2017年 新年号 病院長挨拶より〜