病院長挨拶

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ご期待にお応えする「真の総合病院」への道を一歩一歩
〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2007年 春号 病院長挨拶より〜

 昨年度は、急遽、10月からこの八代総合病院をお預かりして以来、八代市郡医師会、熊本大学大学院医学薬学研究部の各教室、八代市行政、ならびに地域住民の皆様など各方面に多大なご支援を賜っており、感謝の言葉もございません。

お陰様で充実した質の高い医療を行うことができ、それに伴って最悪であった経営状況も好転し、昨年11月から毎月継続して黒字転化致しております。そして、就任時申し上げましたとおり、私共は、いかなる状況下に於きましても「患者さまに満足される最新の医療を情熱をもって実践する」ことを理念とし、「自分自身がかかりたい真の総合病院」にすることで、公的病院として地域住民の皆様の健康をお護りするために、全ての職員が一丸となってチーム医療に務めております。また、本号の特集の通り、昨年末に「がんセンター」を立ち上げ、死亡原因のトップである癌に対する更に質の高い治療で八代地域の癌診療への貢献も誓ったところでございます。

 しかし、医師不足を逆手に取った「特化」によって、当病院は地域住民から期待され質の高い最新の医療を行っている中核総合病院であるにも関わらず複数の診療科の閉鎖に追い込まれ、総合病院とは名ばかりとなり、八代の医療体制は「特化」の主旨とは逆に、地域住民に極めて非効率的な地域医療しか提供できない状況となっております。

 ところがこの4月から、新聞報道にもありましたとおり、熊本大学大学院整形外科学 水田教授ならびに林八代市医師会長の当総合病院の質の高い医療と地域貢献にご理解を賜りこの上ないご高配によりまして、昨年4月から診療科が閉鎖され地域住民の皆様が早期再開を強く念願されていた整形外科が再開されることになりました。昨今、当病院のような公的病院でさえも医師獲得は極めて困難な状況にも関わらず、3人もの優秀な整形外科医を大学から常勤医師としてご派遣賜り、さらに、手術日には手術に集中するべく外来担当の整形外科医をもご派遣頂くという水田教授のご配慮に、ただただ感謝申し上げる次第でございます。また、入院診療ができなかった耳鼻咽喉科におきましても熊本大学大学院耳鼻咽喉科学 湯本教授に常勤医師のご高配を賜り、手術ならびに入院診療ができるようになりました。県南に唯一の当院に特徴的な血液、腎、糖尿病センターに対しましても、満屋教授、富田教授、荒木教授の暖かいご支援とご配慮を賜っており何とお礼を申し上げて良いかわかりません。ご見識の高い熊本大学大学院教授陣によって、当病院が常に高い医療レベルで診療している状況や地域医師会と密接に連携して地域住民の医療に貢献していることを高く評価し、ご期待して頂いているものと理解させて頂いております。本当に有り難い限りでございます。私共も今後、熊本大学大学院に対しても大いにお役に立てるようより一層精進して参る所存でございます。

 以上の通り、各方面のご支援によりまして、当院は「真の新しい総合病院」に向かって一歩一歩着実に進んでいるところではございますが、常勤医師不在の診療科はまだ複数あり、質の高い医療は提供させて頂いておりますものの、その原因でまだまだ、公的総合病院としての役割を地域住民の皆様に果たしておりません。従って、八代地域住民はそのことに極めて強い不快感を示し、不満が募っていると聞き及んでおります。先日、八代地域医療推進協議会があり、各方面のトップの方々と協議をさせて頂きました。その中で、このことを述べましたところ、坂田孝志八代市長から「八代地域の公的急性期病院群がベッド数に応じて適性な医師配置をするべきである。そのために、大至急、その協議会を行うべきである。」との指示がありました。この医師不足の折、八代地域の急性期病院群は公的病院として襟を正して、八代の地域医療に最適で効果的な医師配置を協議し、地域住民の医療のために貢献するという、八代市長の提言に全く持って同感でございます。早急かつ具体的な協議会の開催を望むものでございます。

 このような医療情勢の厳しい折ではございますが、逆にこのような状況であるからこそ、当病院は、医療の原点を見失うことなく、職員全員がプロとして医師主導型の質の高いチーム医療に務め、患者さんに満足して頂くことに喜びを求めて、一丸となって邁進する覚悟でございます。各方面の皆様方の倍旧のご支援を賜りますよう重ねてよろしくお願い申し上げます。

平成19年4月

2007.11

就任から1年を振り返って

—八代地域医療に貢献する当院の使命と機能—

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2007年 秋号 病院長挨拶より〜

2007.4

ご期待にお応えする「真の総合病院」への道を一歩一歩

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2007年 春号 病院長挨拶より〜

2007.1

「真の新しい総合病院」に向かって

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2007年 新年号 病院長挨拶より〜