独立行政法人 地域医療機能推進機構 熊本総合病院

グリーンライトアッププロジェクトのお話

10月は「移植医療推進月間」— グリーンに込めた願い

10月は「移植医療推進月間」として、全国で臓器・組織提供の大切さが呼びかけられています。10月16日前後、当院がグリーンにライトアップされているのをご存じでしょうか。これはグリーンリボンキャンペーンの一環「グリーンライトアッププロジェクト」への参加によるものです。

成長と新しい命を象徴する「グリーン」と、命のつながりを表すリボンからなるグリーンリボンは、移植医療の世界的なシンボルです。日本では臓器移植法が施行された1997年(平成9年)10月16日にちなみ、毎年10月16日を「グリーンリボンデー」としています。

グリーンにライトアップされた熊本総合病院の外観(夜景)
グリーンライトアップ Photo: 熊本総合病院

グリーンライトアッププロジェクトとは

グリーンリボンデーを中心に、全国各地のランドマークや建物を移植医療のシンボルカラーであるグリーンに照らし、臓器移植への理解を広げる取り組みです。当院もこの趣旨に賛同し点灯を行っています。この光には、ドナー(臓器提供者)への感謝、移植を待つ方々、そして移植医療を支える医療者へのエールという思いが込められています。

臓器移植を、やさしく解説

臓器移植は、病気や事故などで臓器(心臓・肝臓など)が十分に働かなくなったとき、人の健康な臓器を移植して機能を補う医療です。移植には、家族からの一部を提供する「生体移植」と、亡くなられた方(脳死後または心停止後)からの提供による移植があります。移植できる臓器は、心臓・肺・肝臓・腎臓・膵臓・小腸、そして眼球(角膜)などです。

「もしものとき、誰かの命を救うかもしれない。助けてもらう立場になるかもしれない。」— だからこそ、わたしたち一人ひとりが考えることに意味があります。

意思表示の方法と、大切にしていること

臓器提供に関する意思は、健康保険証・運転免許証・マイナンバーカード・意思表示カード・インターネット登録の5つの方法で示せます。「提供する」だけでなく「提供しない」という意思も同じように尊重され、いずれも善意に基づく無償の提供です(提供に関する費用の請求や謝礼はありません)。提供された場合には、厚生労働大臣から感謝状が贈られます。

当院の取り組みと、皆さまへのお願い

当院では、すべての入院患者さまへ臓器移植の意思表示についてのご案内を行っています。ご本人・ご家族の意思が確認できれば、当院での臓器提供が可能です。まずは「ご家族で話すこと」から。一度立ち止まり、いのちのバトンについて考えてみませんか。YESでも、NOでも、あなたの意思を表示してください。

※本コラムは一般的な情報提供を目的としています。個別の判断は症状や状況により異なります。体調やご不安のある方は医師にご相談ください。