病院長挨拶

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  • 2007_1

フルーツフルな
〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2019年 新年度号 病院長挨拶より〜

病院長 島 田 信 也

  本年度も、私どもは「独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO) 熊本総合病院」として、引き続き一丸となって、さらに質の高い医療の実践を行ないながら、JCHOの使命である「地域医療・地域包括ケアの推進」を含めて大いに公に貢献できるように努力いたしておりますことをご報告申し上げますと共に、すべては、医師会、熊本大学教授陣、国・県・市行政ならびに市民の皆さま方のご支援の賜と深く感謝申し上げております。


  もう30年以上も前、アメリカのNIHのタコ部屋で癌研究に苦しんでいた時、近くの「ジャイアンツ」という一寸高級なスーパーマーケットで、フロリダのバレンシアオレンジをその場で絞って、旬の初夏から夏の短い時期に販売しておりました。その香りと言ったらとんでもないもので、私たち家族の垂涎の的でしたが、兎に角、貧乏ですので横目で匂いだけ嗅ぐぐらいで何か良いことがあった時にしか買えません。さらに、時期も限られていますので、益々、もう少し裕福であればと悔しさが募るばかりであったことを思い出します。実は、7,8年前、初夏にNIHに呼ばれる機会があり、たらふく飲んでやると訪ねてみると、何と「ジャイアンツ」は潰れており、本当にがっかりしました。
 

  ところで、NIHのボスの口癖は「フルーツフル」でした。そして、その言葉から、たわわに実る薫り高いフロリダのオレンジとそのジュースを連想し、何とも言えずいい言葉だと、「必ずフルーツフルな結果を出してやる」と意気込んだものでした。ところがお恥ずかしいことに大失敗の連続で、以前もご紹介したことにあるNIH大洪水事件や低温室細菌大繁殖事件などを引き起こし何度も大顰蹙を買ったものの、「インターフェロンによってがん細胞に表出する新規分子」を発見し、その「分子標的治療の黎明」に向かった蛋白精製とDNA解析のために、昇進と共に専用の研究室を与えられ、自分が描いた最低限の「フルーツフルな結果」を出すことはできました。


  当院では、昨年末から「最新型の手術支援ロボットダビンチXiの稼働」、今年度からは、「巨額な電子カルテを含む院内情報システムの更新」、「八代市立病院の閉鎖に伴う病床再編と八代市からの要請により、その大部分の回復期機能と経営困難な外来機能の継承(表紙)」そして、「県と市の後押しも頂いたJCHO九州地区事務所の八代への移転」を行いました。


  いずれも、これから達成までに困難な壁が待ち受ける大きなリスクを背負っています。従いまして、熊本総合病院の全職員がこれまで以上に一丸となって、毎日毎日、水をかけ、化学合成ではない有機肥料を撒き、草取りを惜しまず、大切に育てていかなければ決して立派な果樹は育たず、勿論、「フルーツフルな結果」を得ることはできないと、背筋を伸ばして気を引き締めているところでございます。


  今後とも、JCHOの使命を遂行しながら、当院は公的高度急性期病院として「患者さんに満足される質の高い最新の医療を情熱を持って実践」し、「自分自身がかかりたい病院にする」という医療の根源を追求したいと存じます。

  そして、本年度も引き続き全職員が一丸となって、「医療とともに、公に一肌脱ぎ」ながら「今、医療はまちづくりにも貢献しなければならない」という意気込みで、JCHOの一員として「地方創生」に寄与できるように、さらに精進して参ります。

  本年度も、皆さま方のさらなるご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。


平成31年 4月


 
2019.4

フルーツフルな

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2019年 新年度号 病院長挨拶より〜


2019.1

「明治維新150年」から「今年を100年の計 元年」へ

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2019年 新年号 病院長挨拶より〜