病院長挨拶

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新年早々、心が痛みます
〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2024年 新年号 病院長挨拶より〜
北館アクアテラリウム
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

何と、元日に熊本地震を彷彿とさせる「令和6年能登半島地震」、2日に「羽田空港の日航機海保機衝突事故」が続け様に発生し、騒然とした新年となっておりますが、皆様方におかれましては新しい年を穏やかにお迎えのことと存じます。

このような心の痛む年頭ではございますが、当院は、一丸となってさらに質の高い医療の実践を行いながら、JCHOの使命である「地域医療ならびに地域包括ケアの推進」に貢献するように最大限の努力をいたしておりますことをご報告申し上げます。そしてすべては前述の通り、医師会、熊本大学教授陣、国・県・市行政ならびに市民の皆さま方のご支援の賜と深く感謝申し上げております。

前述の通り、日本は騒然とした新年を迎えておりますが、残念ながら「天変地異」に付きましては地球という大自然の営みであり、我々ちっぽけな人間はこれにひれ伏すしかございませんが、後者の「人為的ミス」は「人間にはミスがつきものである」とは言え、特に医療に従事する者としてミスは直接患者さんの命に関わってまいりますので、何としてでも防がなくてはなりません。

「重大な人為的ミス」は、「意外と些細な人的なミスが重なることによって引き起こされる」と言われていますが、まさにその通りと思います。「羽田空港の日航機海保機衝突事故」におきましては、日航機乗客乗員379名の全員が脱出され不幸中の幸いでした。当院におきましても、幸いなことに患者さんの人命に関わる「重大な人為的ミス」は起きておりませんが、矢張り「目の当たりにする人為的ミスは本当に些細な人的ミスと不運が重なることによって引き起こされる」ことを実際経験しております。

そこで当院では、十数年前に「朝礼時のスローガン」を作成し、胸に提げた全職員カードの裏に記載した上で、毎日復唱し心得と致しております。すなわち、①報告・連絡・相談、②挨拶・おもてなし・フットワーク、③各部署の基本的ルール厳守、を怠るな!です。単なる呪文とならぬよう、必ず実践時に心に留めるように厳命致しておりますので、ご理解のほどお願い申し上げます。

また、本「ぱとす」に特集しましたように、この新年から、熊本大学大学院産科婦人科学 近藤英治教授のご高配により、熟練バリバリの三重大学医学部産科婦人科准教授の田中博明先生・田中佳世先生ご夫妻を当院の産科婦人科にお迎え致しました。ご夫妻は新生児診療もされることから、この1月4日から県南の周産期医療充実と発展に向かって本格的な産科診療を行っております。さらに、ご夫妻は診療経験の深さと素晴らしい臨床業績に加えて、大変お優しい先生方であられますので、県南の皆様方にご満足頂ける周産期医療が推進されていくことは間違いございません。

わたくし共の熊本総合病院は、本年も引き続き全職員が一丸となって、「医療とともに、公に一肌脱ぎ」ながら「医療のみならずまちづくりにも貢献する」意気込みで、地方創生・人口増加・少子化阻止にも少しでも寄与できるように、さらに精進して参ります。本年も、皆さま方のさらなるご支援を何卒宜しくお願い申し上げますとともに、皆さま方のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

令和6年 元旦

2024.1

「新年早々、心が痛みます」

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2024年 新年号 病院長挨拶より〜

2024.4

「報道の基本は何処に行った」

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2024年 春号 病院長挨拶より〜

2024.7

「亡国に向かわないように」

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2024年 夏号 病院長挨拶より〜

2024.10

「死してのち已む」

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2024年 秋号 病院長挨拶より〜


島田 信也

独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)
熊本総合病院 病院長
JCHO学会院長部会 会長



略歴

1980年 熊本大学医学部卒業、熊本大学第二外科入局
1986年 熊本大学大学院卒業(医学博士)
1988年 アメリカNIH国立癌研究所主任研究員(~1992年)
1993年 熊本大学第二外科助教
2003年 熊本大学大学院消化器外科 講師
2005年 熊本市立熊本市民病院 外科部長
2006年10月から現職
2007年 熊本大学臨床教授兼任
2017年~2024年3月 JCHO九州地区担当理事
2022年 JCHO学会院長部会会長兼任
2024年4月~2025年3月 JCHO理事長特任補佐兼任