病院長挨拶

  • 2019_
—みんなで新しい稜線を行こう—
〜八代総合病院だより 『すこやか』 2009年春号 病院長挨拶より〜
 最近、各方面から、八代総合病院の質の高い治療が受けられて感謝している、また、職員の接遇がとても良くなった、との良い評判をお聞きし、当院の優秀な医師団を中心として全職員が質の高いチーム医療と医療連携を情熱をもって実践している努力を評価し、八代市郡医師会、熊本大学教授陣、八代市行政ならびに地域住民の皆さんのご支援を深く感謝申しあげる次第です。

によって、昨年は、膨大な累積赤字を解消することができました。また、昨年末に、近接する白百合高校の跡地を取得する本契約を結び、今後、病院新築が現実のものとなって参りました。本当に当院をご支援して頂いている全ての皆さまのお陰と心から感謝申し上げます。益々、名実ともに「職員自身がかかりたい質の高い新しい八代総合病院」にして参ります。

 私は、生来、学校の授業が大嫌いで、小学校の頃はよく仮病をして、擂ったリンゴが入ったガーゼをチュウチュウしながら「ブーフーウー」をテレビで観るのを楽しみにしていましたが、大学生になってからも同様に勉強もせずに「ちゃらんぽらん」しておりました。医学部の同級生でそりの合う人は少なく、高校の時からの工学部の連中と懇ろで、麻雀と酒に明け暮れ、半年もたった頃、道すがりの医学部同級生に代返を頼んだところ、君はうちのクラスか?と返されたのには我ながら苦笑してしまいました。ところが、医者になって、外科医をやり始めると如何に自分が患者さんのお役に立てないかを痛感し、愕然としてしまいました。本当に、患者さんに申し訳なく、深く反省致しました。この時以来、何とか努力して稜線を歩こうと決心しました。

 稜線とは山の尾根のことで、その谷と谷の間のそそり立った線は脈々と頂上に繋がっております。このあたりの高田山や竜峰山なら、どこからどう登ろうが必ず頂上に行きつくことが出来ます。しかしながら、日本アルプス級の山になりますと、稜線を行かなければ頂上を極めることはまず無理でしょう。谷を行くことは楽ですが、頂上の手前で必ず切り立った崖が待ちかまえていて、そこで残念ながらゲームオーバーとなります。一方、稜線は横殴りの風雨も強いし、吹雪にでもなったら転落し、死の危険も大いに孕んでいます。ところが、人生の稜線は、いくら辛くとも、死ぬことだけはありません。

 当院は「質の高い最新医療」以外にも、「立地条件の素晴らしさ」が売りです。しかしながら、手狭な敷地と病院の老朽化が問題でした。今後は、ほぼ現地での新八代総合病院の建設に向けて、綿密な設計を行って参りたいと存じます。私共八代総合病院職員の、新病院建設のコンセプトは、「機能溢れる近代的病院」であることは勿論ですが、「八代の美しいランドマーク」「八代の街づくりの拠点」「100年経っても益々重厚な建造物」であり、病院としてのみならず市中心の高層建築として住民の皆さんから慕われるモノでありたいと望んでおります。

 今年も、この八代総合病院は、良い意味で皆様方をお騒がせしたいと存じております。当院の使命と機能は、公的急性期病院として「患者さんに満足される質の高い最新の医療を情熱を持って実践する」「自分自身がかかりたい病院にする」という医療の根源を失うことは絶対にございません。このことをいつも肝に銘じて邁進致しますので、皆様方の倍旧のご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

 

平成21年4月



 

2009.10

−一肌脱いで正のスパイラルへ−

〜八代総合病院だより 『すこやか』 2011年秋号 病院長挨拶より〜

 

2009.7

-「一流」は「感動」-

〜八代総合病院だより 『すこやか』 2009年夏号 病院長挨拶より〜

 

2009.4

—みんなで新しい稜線を行こう—

〜八代総合病院だより 『すこやか』 2009年春号 病院長挨拶より〜

 

2009.1

-死に向かって一直線-

〜八代総合病院だより 『すこやか』 2009年新年号 病院長挨拶より〜