病院長挨拶

  • 2019_
—「死」に向かって一直線—
〜八代総合病院だより 『すこやか』 2009年新年号 病院長挨拶より〜
 新年あけましておめでとうございます。

 健康保険八代総合病院をお預かりし、2年が経過致しましたが、当院の優秀な医師団を中心として全職員が質の高いチーム医療を情熱をもって実践した努力と、当院の「質の高い最新医療」を評価頂いた八代市郡医師会、熊本大学教授陣、八代市行政ならびに地域住民の皆さんのご支援によって、昨年は、膨大な累積赤字を解消することができました。また、昨年末に、近接する白百合高校の跡地を取得する本契約を結び、今後、病院新築が現実のものとなって参りました。本当に当院をご支援して頂いている全ての皆さまのお陰と心から感謝申し上げます。益々、名実ともに「職員自身がかかりたい質の高い新しい八代総合病院」にして参ります。

 表題の副題は、新年にも病院にも似つかわしくないものですみませんが、私も若い若いと思っておりましたが、もうすぐ54才です。米国国立癌研究所で一生懸命に仕事をしていた30代後半の頃に、北海道大学の名誉教授と親しくさせて頂きました。そのY先生の口癖が「死に向かって一直線」でした。そして、その度に「きっと先生は長生きされますよ」とお返していましたが、その通り、80才を過ぎられ、益々、颯爽とされており、八代の田舎にも親身で且つ強烈な檄が飛んできます。

 私の大学院の指導教官だったM先生は、「島田よ、人間の価値はどれだけ早く自分の死を認識するかで決まる」と飲む度に繰り返されていましたが、昨年、偶然、早期癌が見つかり、内視鏡切除で事なきを得ました。本当に良かった。

 数年前、大先輩のY先生から「犬を飼え」との指示があり、中型犬を飼いました。犬も家族と同じかそれ以上に手がかかることを初めて知りました。そして、飯を食べて、わんわん言って、うんちをして、正に自分自身の縮図と認識し、Y先生の指示の意図が分かりました。

 人間、亀のように万年?も生きられれば、その生き方も違うかも知れません。ところが、人間の場合は、、、でも、考え方によっては、色々色気を出さずに済む人生スパンかも知れません。大事なことは、人間は、公のこころを常に持って、職業を通じて少しでも世の中のお役に立てるように生きながら、Y名誉教授が仰ったように「死に向かって一直線」。

 当院は「質の高い最新医療」以外にも、「立地条件の素晴らしさ」が売りです。しかしながら、手狭な敷地と病院の老朽化が問題でした。今後は、ほぼ現地での新八代総合病院の建設に向けて、綿密な設計を行って参りたいと存じます。私共八代総合病院職員の、新病院建設のコンセプトは、「機能溢れる近代的病院」であることは勿論ですが、「八代の美しいランドマーク」「八代の街づくりの拠点」「100年経っても益々重厚な建造物」であり、病院としてのみならず市中心の高層建築として住民の皆さんから慕われるモノでありたいと望んでおります。

 今年も、この八代総合病院は、良い意味で皆様方をお騒がせしたいと存じております。当院の使命と機能は、公的急性期病院として「患者さんに満足される質の高い最新の医療を情熱を持って実践する」「自分自身がかかりたい病院にする」という医療の根源を失うことは絶対にございません。このことをいつも肝に銘じて邁進致しますので、皆様方の倍旧のご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

平成21年1月



 

2009.10

−一肌脱いで正のスパイラルへ−

〜八代総合病院だより 『すこやか』 2011年秋号 病院長挨拶より〜

 

2009.7

-「一流」は「感動」-

〜八代総合病院だより 『すこやか』 2009年夏号 病院長挨拶より〜

 

2009.4

—みんなで新しい稜線を行こう—

〜八代総合病院だより 『すこやか』 2009年春号 病院長挨拶より〜

 

2009.1

-死に向かって一直線-

〜八代総合病院だより 『すこやか』 2009年新年号 病院長挨拶より〜