病院長挨拶

2024 2024 2023 2022 2021 2020 2019
2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012
2011 2010 2009 2008 2007 2006
官製談合ー地方で起こっていることは日本の中枢の縮図ー
〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2025年 秋号 病院長挨拶より〜


日本は今年も長い厳しい暑さが続きましたが、10月になりやっと朝夕の涼しさが感じられるようになりました。また、4日には、日本初の自民党女性総裁に高市早苗氏が決定し、日本初の女性首相が誕生すると思いますが、皆様方におかれましてはこれまで通りご清祥のことと拝察申し上げます。

当院は、このような日本の激変の中、皆様方のご支援の下で一丸となって、「変わらぬ」質の高い急性期医療の実践を行ないながら「まちづくり」にも貢献するように最大限の努力をしております。そして、このように努力できますことは、医師会、熊本大学教授陣、国・県・市行政ならびに市民の皆さま方のご支援の賜と深く感謝申し上げております。

ところで突然のことですが、驚天動地、10月4日、3年前の八代新市庁舎建設を巡り「熊本県八代市171億円官製談合を告発―これは改ざんだ―(内部文書入手)」という文春砲が炸裂致しました。この正にオールドメディアの典型のように何も変わらない田舎のまちに、大鉈の警告が鳴らされました。

実は、八代市庁舎は当院のお隣に建っております。そして、2014年の熊本地震において熊本県の諸市役所も大変な被害を受け、次々に新市庁舎群が建設された訳ですが、この八代新市庁舎建設を巡っては、「熊本県の他の新市庁舎は50億円以下で建設されているのに、何故、八代市だけは170億円以上という巨額が掛かったんだろうか?」、という市民の皆さんの声は、成る程、的を突いていたのかもしれません。
また、私共の熊本総合病院の信念は「医療と共に公に一肌脱ぐ」でございます。そして、その具体的な実践として「『まちづくり』を推進する」を掲げて、職員が一丸となってレガシーの新病院を建設しましたが、市民の皆さんから「新市庁舎建設も『八代のまちづくり』の継続となるように」という声もあったようで、このようなことが指摘されて誠に残念に思います。

一方、皆様ご承知の通り、日本では以前から官製談合や金と政治のウラガネ問題が世間を賑わしています。正に、上記のように八代のような地方で起っていることは日本国で起こっていることの縮図であり伝染病でございます。
そのような事例は枚挙に暇はございませんが、一例を申し上げれば、「2005年の橋梁談合事件」のように、旧日本道路公団副総裁が事前に知りうる立場を利用し、企業の利益を図り、道路公団に財産上の大損害を与えたため、収賄の事実は明らかにならなくとも、副総裁は「背任で有罪」となりました。

このように、飽きもせず国の機関と政治と大企業における官製談合や癒着やウラガネが横行していることは誠に遺憾であり、悪党共はウラガネ隠しのプロですから、収賄の事実は明らかにならなくても背任の有罪判決を下して撲滅されなければなりません。

 さておき、わたくし共の熊本総合病院は、次第に涼しくなって来ている気候の下、引き続き全職員が一丸となって、「医療とともに、公に一肌脱ぎ」ながら「医療のみならずまちづくりにも貢献する」意気込みで、地方創生・人口増加・少子化阻止にも少しでも寄与できるように、さらに精進して参ります。皆さま方の格別のご支援を何卒宜しくお願い申し上げますとともに、皆さま方のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。








令和7年 10月吉日

2025.1

「透明性と透明人間」

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2025年 新年号 病院長挨拶より〜

2025.4

「今こそハイスキル終身雇用へ」

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2025年 春号 病院長挨拶より〜

2025.7

「正気の沙汰」

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2025年 夏号 病院長挨拶より〜

2025.10

「官製談合ー地方で起こっていることは日本の中枢の縮図ー」

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2025年 秋号 病院長挨拶より〜


島田 信也

独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)
熊本総合病院 病院長
JCHO学会院長部会 会長



略歴

1980年 熊本大学医学部卒業、熊本大学第二外科入局
1986年 熊本大学大学院卒業(医学博士)
1988年 アメリカNIH国立癌研究所主任研究員(~1992年)
1993年 熊本大学第二外科助教
2003年 熊本大学大学院消化器外科 講師
2005年 熊本市立熊本市民病院 外科部長
2006年10月から現職
2007年 熊本大学臨床教授兼任
2017年~2024年3月 JCHO九州地区担当理事
2022年 JCHO学会院長部会会長兼任
2024年4月~2025年3月 JCHO理事長特任補佐兼任