
重篤な腎障害のある患者へのガドリニウム造影剤使用に関連して、
腎性全身性線維症(nephrogenic systemic fibrosis: 以下、NSF)の発症が報告されています。
NSFはガドリニウム造影剤の投与数日から数ヶ月後、時に数年後に皮膚の腫脹や硬化、疼痛などにて発症する疾患です。進行すると四肢関節の拘縮を生じて活動は著しく制限されます。
現時点での確立された治療法はなく、死亡例も報告されています。

重篤な腎障害のある患者へのガドリニウム造影剤使用に関連して、
腎性全身性線維症(nephrogenic systemic fibrosis: 以下、NSF)の発症が報告されています。
NSFはガドリニウム造影剤の投与数日から数ヶ月後、時に数年後に皮膚の腫脹や硬化、疼痛などにて発症する疾患です。進行すると四肢関節の拘縮を生じて活動は著しく制限されます。
現時点での確立された治療法はなく、死亡例も報告されています。
腎障害患者におけるガドリニウム造影剤使用に関するガイドライン2009(PDFダウンロード)
の要点を以下にまとめます。

造影MRI検査にあたっては緊急検査などでやむを得ない場合を除き、eGFR値を評価すべきである。
eGFR計算機をご利用頂くと、当院内規定に基づく造影剤使用の可否を簡便に判定できますので、ご利用下さい。

・長期透析が行われている終末期腎障害
・非透析例でGFRが30mL/min/1.73m2未満の慢性腎不全
・急性腎不全
上記に該当するが、やむを得ずガドリニウム造影剤を使用しなければならない場合は
NSF発症報告の多いガドリニウム造影剤の使用を避けるのが望ましい。

ガドリニウム造影剤使用後のNSF発症の危険性が必ずしも高くないとする意見もあるが、実際にNSF発症の報告もあり、ガドリニウム造影MRIによる利益と危険性とを慎重に検討した上で、その使用の可否を決定する必要がある。
なお、使用にあたっては必要最小量を投与すべきである。

NSF発症の危険性が高いとする根拠は乏しい。

ガイドラインを参考にしたガドリニウム造影剤使用に関する院内規定を設けております。
ご参考にして下さい。