病院長挨拶

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官庁施設の長寿命化が「まちづくり」(地方創生)の第一歩
〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2023年 夏号 病院長挨拶より〜

暑中お見舞申し上げます。

武漢を発生源とするコロナ感染症が5類へ移行し2ヶ月が経ちましたが、皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか。当院は、ポストコロナ時代におきましても、皆様方のご支援の下、一丸となってさらに質の高い急性期医療の実践を行いながら、JCHOの使命である「地域医療・地域包括ケアの推進」に向けて貢献するように最大限の努力をして参ります。そして、このように努力できますことは、医師会、熊本大学教授陣、国・県・市行政ならびに市民の皆さま方のご支援の賜と深く感謝申し上げております。

ところで、当院はこの年頭に北館を竣工し、現在、本館を改修中でございます。即ち、これまで手狭でございました外来部門、化学療法部門、手術センター、検査センター、医局などを順次順調に改修・拡張しております。

実は、10年前に本館を竣工しました時に本館用地が旧病院敷地のほぼ半分であったことから、「北館用地を取得することができた時には、皺寄せの部門は必ず改修・拡張するので我慢して欲しい」とお願いしておりました。そのような経緯で現在、本館を大改修中でございますが、計画はしていたもののそのスムースな改修・拡張に改めて驚いているところでございます。

日本では、随分前の平成25年に「官庁施設も含むインフラ長寿命化基本計画」が取り纏められましたが、残念ながら、その計画が本来の目的を果たすべく推進されているのか甚だ疑問に感じております。

あまり言い過ぎると笑われるかもしれませんが、若しかしたら当院の建物は100年いや200年ぐらい保つのではないかとタヌキの皮算用をしております。実際、当院本館は竣工してもう10年以上経ちましたが、今年竣工したと言っても誰も疑う人はおられません。

その1番の要因は、外壁が全て石であること、に尽きます。人工物は次の日から劣化していきますが、自然の石は劣化いたしませんし、逆に何十年もすれば重厚にさえなっていきます。石造りの欧米の建物やレンガ作りの東京駅と同じで、外壁さえしっかりしていれば震災にも耐え何百年も存続するものです。

一方、病院は機能が極めて重要でございますので、時代に応じた改修・拡張が必要です。この懸案事項に対応できるのが鉄骨構造のようです。当院は、前記の通り、現在、本館大改修中でございますが、配管なども含めましてスムースに質の高い機能に大改修が可能であることを実証しております。

以上まとめてみますと、
① 初期コストはかかっても、外壁を石やレンガにすれば建物は長寿命化するので、結局、長い目で見ればエコ
② 構造も鉄骨にすれば、時代に応じて建物内部機能を大改修・拡張できる
③ 建て替えが無いので、後世は建物の建設にお金をかけなくて済む
④ 立派な建物になるので、後世のプライドを高くし「まちづくり」にも寄与する
⑤ 「官庁施設を核としたストック型まちづくり」は地方創生に大いに貢献する
でございます。

さておき、わたくし共の熊本総合病院は、本年度も引き続き全職員が一丸となって、「医療とともに、公に一肌脱ぎ」ながら「医療のみならずまちづくりにも貢献する」意気込みで、地方創生・人口増加・少子化阻止にも少しでも寄与できるように、さらに精進して参ります。皆様方のさらなるご支援を何卒宜しくお願い申し上げますとともに、本格的な夏に向かいまして、皆様方のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

令和5年 7月吉日

2023.4

「病める者は私のもとに来なさい」

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2023年 春号 病院長挨拶より〜

2023.7

「官庁施設の長寿命化が「まちづくり」(地方創生)の第一歩」

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2023年 夏号 病院長挨拶より〜

2023.10

「県南の周産期医療拠点病院を目指して」

〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2023年 秋号 病院長挨拶より〜