新年度は漸く全国の「まん防」も明けましたが、未だに、だらだらと感染が続いておりますが、皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか。当院は、新型コロナ禍中におきましても、皆様方のご支援の下、一丸となってさらに質の高い医療の実践を行ないながら、JCHOの使命である「地域医療・地域包括ケアの推進」と同時に「新型コロナ禍の終息」に向けて貢献するように最大限の努力をいたしておりますことをご報告申し上げます。そして前述の通り、すべては、医師会、熊本大学教授陣、国・県・市行政ならびに市民の皆さま方のご支援の賜と深く感謝申し上げております。
熊本県南の新型コロナの拠点である現場におきましては、この「オミクロン型から派生した変異ウイルス株群」は「感染力は強いものの通常の季節性インフルエンザよりも弱毒」でございます。医療圏域のデータでは、以前とは異なり、全ての感染者の何と約97%が軽症です。ウイルスの生態からして弱毒化することが生き残りの基本ですので、経済社会活動を取り戻すウイズコロナ時代に向かって、新型コロナの感染症分類を「2類からインフルエンザ相当の5類への変更」が適切と強く感じています。
ところで、新型コロナでよもや世界中がこのようなとんでもない状況になろうとは夢にも思いませんでしたが、さらにとんでもないことが起こってしましました。ご承知の通りの「ロシアによるウクライナ侵攻」です。正に、「核を持つ国が核を放棄した国を力で侵略できる」という現代世界を揺るがす恐るべき大悪例を何と世界平和を守るはずの国連の常任理事国が堂々と作ってしまった訳で、国連はもう有名無実な過去の団体と言わざるを得ません。
真の識者が言われる通り、「ロシアが、昭和45年の終戦後に日ソ中立条約を破って北方領土ならびに満州に侵略し、多くの無辜の日本国民を性的暴力・虐殺をした上に、極寒のシベリアに女性や民間人を含む約60万人の日本人を拉致し奴隷的強制労働を課し満足な食事も与えられず約6万人が死亡したが、それと同じことがウクライナ侵攻で起こっている」、「これは遠いウクライナだけで起ることではなく、そのロシアは日本のお隣に存在する」、「同盟はあっても自ら戦わない限り助けは来ない、従って、日本も同じ目に合う可能性がある今こそ、日本国民を防衛する手段と体制の確立を!」との極めて当然の結論です。
さらに、NATO事務局長は「ロシアとチャイナは手を組んで世界の恐るべき脅威となっており、その双方の隣国であるジャパンはしっかりとその現実を認識し対策を立てるべきだ」と述べたそうですが、他所の人から心配されるくらい現在の日本は世界から見て脆弱なのでしょう。
正に、「武漢発の新型コロナ」と「ロシアによるウクライナ侵略」によって、世界の箍は外されました。
これに対して、危機を痛感した欧州の敗戦国ドイツは迅速な大転換を行い国防重視に舵を切り防衛予算も直ぐに2倍へと増額しました。一方、アジアの敗戦国我が日本は、このおそロシアが隣国であるにもかかわらず、防衛予算倍増どころか未だに普通の国の防衛を行うための憲法改正論議さえ進んでいないとは呆れ果てるばかりで、後世の皆さんに申し訳ない気持ちで一杯です。本当に日本という国では出口のない「充満した閉塞感と将来への不安感」に苛まれ悲しいばかり、さらに「アジアを欧米の植民地から開放した日本が、今や矜持を無くした日本」と東南アジアからもがっかりとの批判も聞こえてきているそうです。
さておき、わたくし共の熊本総合病院は、本年度も引き続き全職員が一丸となって、「医療とともに、公に一肌脱ぎ」ながら「医療のみならずまちづくりにも貢献する」意気込みで、地方創生・人口増加・少子化阻止にも少しでも寄与できるように、さらに精進して参ります。本年も、皆さま方のさらなるご支援を何卒宜しくお願い申し上げますとともに、新型コロナの感染症5類への変更と皆さま方のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
令和4年 4月吉日
2022.1
〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2022年 新年号 病院長挨拶より〜
2022.5
〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2022年 春号 病院長挨拶より〜
2022.7
「平和ボケ+正常性バイアス+喉元過ぎれば、という体質の脅威」
〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2022年 夏号 病院長挨拶より〜
2022.12
〜熊本総合病院だより 『ぱとす』 2022年 秋号 病院長挨拶より〜