様々な工夫を行い、術後縫合不全の軽減に努める
当科では年間十数例の膵頭十二指腸切除術(PD)を行っています。高度侵襲手術であるため、術後の合併症も少なくなく、特に残存膵臓と小腸を縫い合わせた膵空腸吻合部の縫合不全が最も多く、いかにこの縫合不全を少なくするかが問題となっています。当科でも様々な工夫を行っており、術後縫合不全の軽減に努めており、良好な成績をあげています。

【図説明】
膵空腸吻合部の縫合不全はその程度によって、Grade A(軽症)、Grade B(中等症)、Grade C(重症)に分けられます。炎症の既往がある固い実質の膵臓は縫合不全を起こしにくいのですが、膵機能が保たれている柔らかい実質の膵臓は縫合不全を高頻度に起こすといわれています。
当科のデータは、かなり良好であると思われます。