診療科案内

整形外科





←戻る


1) 超高齢社会を反映した骨折の増加


高齢者の骨粗鬆症に起因する骨折(大腿骨近位部骨折(図9)、橈骨遠位端骨折(図10)、上腕骨近位端骨折(図11)、脊椎圧迫骨折(図12)など)に加え、骨脆弱性骨折、インプラント周囲骨折(図13)、粉砕骨折が増加しています。











図9

右大腿骨頸部骨折(矢印)

3年前に左大腿骨転子部骨折に対し骨接合術
右人工骨頭置換術施行
図10
右橈骨遠位端骨折(矢印) プレートを用いた骨接合術施行
図11
左上腕骨近位端骨折(矢印) 髄内釘を用いた骨接合術施行
図12
単純レントゲン、MRIで第11胸椎に圧迫骨折を認める(矢印)
図13

以前、大腿骨転子部骨折に対する骨接合術(青矢印)、人工膝関節置換術(黄矢印)施行歴あり

その間で大腿骨骨幹部骨折(インプラント周囲骨折、赤矢印)を生じ、骨接合術施行した




2)高エネルギー外傷に対する治療

交通事故、労働災害などによる高エネルギー外傷による開放骨折(骨折部が外界と交通しており感染のリスクが高い)、高度粉砕骨折、複数部位を同時に損傷する多発外傷(頭部・胸腹部の合併損傷、局所も軟部組織の損傷を併せ持つことが多い)に対しても加療しています。様々な状況に対応すべく、開放骨折用の創外固定は6セット、手用創外固定1セット、ケーブルワイヤー1セット常備しています。また感染が生じた場合には、高濃度の抗生剤を局所に還流させるiMAP法、iSAP法を導入しています。



3)関節手術を応用した骨接合術

肩・膝関節疾患では関節鏡を用いた手術が行われます。この関節鏡を利用して、骨折部の整復状況を確認しながら骨接合術を行うことがあります。また、上腕骨近位端骨折では粉砕が強く結節の癒合が期待できない場合、人工肩関節(リバース型)を用いた手術を行います。